吹屋の紅だるま製作日記 その5

赤い町の柚子胡椒作り 紅だるま誕生
だるま、だるま、どんなデザインにしようか・・・
色んなだるまをネットで見ているが、今一つピンとこない。
煮え切った頭をアイスクリームで冷やそうと、ふと冷蔵庫に目をやると。
磁石で貼ってあった一枚のチラシが目に入った

「成羽のぶどう〜岡山の赤土から生まれた美味しいぶどうです。」
見ると七福神のようなキャラクター2体がぶどうを取り合っているイラストだった。
「これだ!!この七福神の絵のタッチはだるまにぴったりだ!!」

沖島ファームは大粒でとっても甘いピオーネを作る地元で人気のぶどう農家さん

「このチラシを作ってくれた人にだるまを描いてほしい!」ファームのジローさんチラシをデザインした岡山のデザインユニットCOCHAE(コチャエ)さんを紹介してもらった。

COCHAEさんは“あそびのデザイン”をテーマに活動する軸原ヨウスケさん、武田美貴さんによる デザイン・ユニット。

軸原さんにこれまでの事を伝えた。吹屋の特産品にしたい思いや、過疎・高齢化に危機感を感じている吹屋の町のこと、柚子胡椒作りのこと、だるまの事。イメージやストーリー、この商品にかける思いをこれでもかというくらい伝えた。

実際に吹屋にも来てもらい、お酒を飲み、町の未来をイメージした。そして待つこと数週間。
想像以上の存在感のあるだるま柚子胡椒が出来上がった。

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「うどんお鍋になんでも美味しい 備中高梁吹屋 無添加柚子胡椒」
完成したピカピカのかっこいいデザインの紅だるまにはそんな言葉が添えられた。

自分たちが苦労して作った柚子胡椒がCOCHAEさんの手によって、立派なお土産になり、
町を伝える特産品が出来上がった。

人から人へだるまを通して、吹屋の名前が全国に広がっていきますように。そんな願いをだるまに込めて、2017年吹屋の紅だるまが誕生した。

こうして、色々な人の協力によって作り上げられた200個の紅だるまはパッケージのインパクトもあって、あっという間に完売し、一年目の製造は大成功に終わった。

売り切ってホッとするまもなく、「もっとないの?もうなくなったの?」との嬉しすぎる声。
嬉しさと同時に、頑張らねばという気持ちで2年目が始まろうとしていた。