瀬戸内海に浮かぶ鹿久居島。
2021年4月、備前市日生で有機レモンを作っている下林農園さんを訪れた。
眼下に広がるのは絶景の瀬戸内海。美しく穏やかな海を一望できる場所に綺麗に管理された柑橘畑が広がっていた。
「お目当ての有機レモンだよ!綺麗なの汚いの色々あるけど、薬は使ってないからね」
園主の坂口さんが大事に保管していたピカピカに輝くレモン。
不揃いだけど、それが良い。目の覚めるような爽やかな香りが僕たちを出迎えてくれた。
きっかけは2月、私は岡山の百貨店で開催されたイベントに出店していた。
イベントの目玉はそれぞれの生産者が自慢の農産物を使ったワークショップである。
私はもちろん「柚子胡椒を作ろうワークショップ」を企画した。
参加者には柚子皮をおろし金ですり下ろしてもらい、予め用意していた唐辛子ペーストと混ぜ合わせて少しの塩を加えて完成という内容。だが、一つ不安があった。
それは、「2月だと柚子が手に入らないかもしれない」ということだ。
私の不安は的中した。道中、どこのスーパーにも柚子はなかった。なんとかデパ地下で見つけたものの、非常に高価で多くは買えなかった。
そんなピンチで出会ったのが、隣で出店していた下林農園さんのピカピカのレモンだった。
作り方と雰囲気だけ味わってもらえればと思ってレモンを代用したワークショップ。
しかし、これが予想以上に好評だった。
会場に広がる爽やかな香り、出来上がったものを一口。
口の中にレモンが広がった!
「うまい!爽やか!これはいける!!」文句なしの味であった。
ワークショップで柚子が手に入らなかった偶然から生まれたレモン胡椒。
下林農園さんも快く受け入れてくださった。
60キロのレモンを仕入れ、柚子と同じようにピーラーで皮剥き。
エグミが出ないように表面の薄皮のみを使用している。
柚子と比べると少し乾燥しているレモンの皮。
ここに滑らかさつけるためにレモン果汁を入れて塩で味を整えて完成!
瀬戸内を吹き抜ける風のような爽やかさが特徴のレモン胡椒ができました。
お肉やお魚に少量つけて召し上がりください。